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マンション価格と家賃

住宅を買うとき、用途は住むにしろ貸すにしろ、そこで居住することに違いはない。それなのに数年に一度、購入価格と家賃が乖離するという現象が見られる。 この現象は、「買って後で売ったら儲けられる」という金融の価値を求める買い主が現れることによって起こるものだ。 そしてその現象が続くと起こるのがバブルである。リーマンショックの引き金が住宅価格の高騰と暴落にあったことは記憶に新しい。みんながお金を借りて買って、値段が上がって儲かる、というサイクルが、あのとき逆回転を始めたのだ。お金を貸せない、住宅を売って返してくれという動きが増えたことで、一斉に売りに出され、価格は下落し、金融機関のテコの力は全て経済に逆効果となったのである。 ところで、歴史は繰り返すという。 現在の住宅価格ははたして適正なのだろうか?まだ借りて買う人は現れ続けるサイクルにあるのだろうか? 三菱UFJの記事 によれば、マンションの価格は既に新築も中古もリーマンショック前の価格を超えている。 一方で 旭化成の記事 からは、マンションの家賃はリーマンショック前にようやくたどり着いたくらいであることがわかる。 つまり、住まいとしての価値は超え、金融の価値で値段が着いている可能性が極めて高いのだ。販売用と賃貸用で区別があるとも思えない。 以上から、現在は不動産バブルの懸念があるといえる。 この環境は、不安を打ち消すために行われる金融政策で維持されているのだろう。2019年が金融環境の悪化の年になるという予測はアメリカの有力ファンドも示唆するところだ。IMFもマクロ経済の減速を予測するなか、資産運用の検討が必要だと思われる。